働きがいのある魅力的な職場環境の実現

働きがいのある魅力的な職場環境の実現

方針・基本的な考え方

大成建設グループは、グループ行動指針において働きやすい職場の確保と多様性の尊重を定め、その実現に努めています。また、人材活用方針(ダイバーシティ&インクルージョン方針)を策定し、多様性を尊重し、役職員一人ひとりが高いエンゲージメントを保持して活躍できる環境を整備するために様々な取り組みを進めています。同方針や【TAISEI VISION 2030】及び中期経営計画に基づいて人材活用の自主管理目標を設定し、その実施状況を取締役会でモニタリングするとともに、ステークホルダーに対して適時適切に開示していきます。
また、大成建設では、人的資本の充実は当社グループの未来への投資であると認識しており、2022年度及び2023年度に社員組合と協議し、全従業員のベースアップや新卒初任給の引き上げ等による賃上げを実施しました。今後も2023年3月に制定した「マルチステークホルダー方針」に基づき、従業員への持続的還元を目指すとともに、多様性・公平性・包括性を重視し、従業員の「働きやすさ」と「働きがい」を高める総合的な処遇改善に努めてまいります。

リスクと機会

女性社員、高齢社員、外国籍社員の人材等、多様な属性の人材・能力を経営に活かすための取り組みが十分でない場合、優秀な人材を確保できず、イノベーションなど企業価値向上のための取り組みが停滞し、ステークホルダーからの評価が低下する等のリスクが生じます。一方で、働きがいのある魅力的な職場環境を実現するためのダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの取り組み等の促進は、優秀な人材の確保、役職員のエンゲージメントの向上と組織の活性化につながります。

ポリシー/コミットメント

  • グループ行動指針:風通しの良い企業風土の形成、基本的人権・多様性の尊重
  • 人材活用方針(ダイバーシティ&インクルージョン方針)
  • 人権方針
  • 中期経営計画(2021-2023):魅力ある職場環境やダイバーシティ&インクルージョンを重視した施策を推進する

目標・実績

中長期目標・KPI・実績

イニシアチブ

  • 国連グローバル・コンパクト「人権」「労働」
  • The Valuable 500
  • Myじんけん宣言(法務省)
  • 内閣府男女共同参画局の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」
  • 女性活躍推進法に基づく行動計画(内閣府)
  • 女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画((一社)日本経済団体連合会)
  • イクボス企業同盟
  • 人的資本経営コンソーシアム

体制・システム

推進体制

所管役員 管理本部長
審議機関 人事委員会(業務委員会)
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンに関わる重要事項は、人事委員会での審議を経て経営会議にて事前審議を行い、取締役会に付議されています。
方針 人材活用方針(ダイバーシティ&インクルージョン方針)
推進部署 管理本部人事部

取り組み

長時間労働是正に向けた取り組み

大成建設グループは、人権方針において、現地の法令を遵守し、全役職員および取引先の労働安全衛生に配慮し、長時間労働の改善することを定め、従業員の健康維持・増進に配慮し、過重労働を抑制し、時間外労働の低減に努めています。そのための協議機関として労働時間短縮委員会及び時短推進委員会を設置しています。過度の労働時間削減のために、労働時間短縮委員会で労働時間短縮取組方針を毎年策定しています。また、会社の基本姿勢を浸透させるため、毎月全役職員宛てに配信する社長メッセージで、必要に応じて時間外労働削減に向けた取り組みについて説明しています。
2018年から「『長時間労働是正』に向けた2024年までのロードマップ~TAISEI Lively Plan~」を策定し、同内容の一部を中長期目標(KPI)として特定し、その進捗を確認しながら推進しています。ロードマップでは、「健康管理残業時間*」「休日+代休」「作業所閉所」について、年度ごとに段階的な目標を定め、労働時間短縮委員会及び時短推進委員会等で活動を推進しています。
また、社員の意識改革や行動変容を図るため、全役職員がそれぞれの職場の状況に応じた具体的な時短アクションを議論・実行し、労働時間短縮に効果のあった活動については、全社への水平展開や、継続的活動としての定着を図る取り組みを実施しています。

*健康管理残業時間

法定時間外労働時間と法定休日労働時間の合計時間

仕事と育児・介護の両立を支援

大成建設では、「社員が安心して結婚・出産・子育てできる会社を目指す」という社長方針のもと、育児休業制度、育児短時間勤務などの様々な制度を整備しています。休職と復職を支援する育児サポートプログラムや両立支援セミナーなど、両立を支援するための情報提供を行っています。
2016年度から男性の子育て支援にも注力しており、男性の育児休業取得率100%を働き方改革の重点施策と位置づけ、所属部門や上司を巻き込み全社的に取り組んでいます。2017年4月に、新しい時代の理想の上司(イクボス)を育てていこうとする企業のネットワーク、イクボス企業同盟に加盟したほか、「イクメン企業アワード2016」の受賞や次世代育成支援対策促進法に基づく認定も受けています。子供が生まれた男性社員とその直属上司に育休取得を促す「お祝いメール」の配信、外部講師及び育児休暇取得経験者が登壇する「父親セミナー」開催や制度拡充などの施策により、対象となる男性社員の育休取得率は2017年度以降連続して100%、平均取得日数は11.6日(2022年度)に達しました。
仕事と介護の両立支援のため、介護休暇・介護休業などについては、法定事項を上回る内容で制度を設けている他、当社オリジナルの「介護のしおり」の配付、無料で専門家に相談できる個別相談会の定期的な開催など、介護に関する社員の不安を減らすための取り組みを進めています。また、長期休暇時に家族と一緒に参加できる「Web配信型介護セミナー」や基幹協力会社までを対象に含めた介護離職防止セミナーの実施等、きめ細かなフォロー体制を整えています。なお、上記介護セミナーには、2022年度までに延べ約2,600人が参加しています。

人材の獲得と定着

大成建設グループでは、持続的な成長に向けて優秀な人材の獲得と定着を図るため、給与や労働時間等の労働基準について各国の法令遵守を徹底するとともに、各国の最低賃金についても法令以上の条件で設定することに努めています。なお、当社の2022年度の平均年間給与は、9,929千円となっています。
また、採用について、2022年度は276名の新卒社員を採用しました。採用選考の過程においては業務内容を詳細に説明し、ミスマッチの解消に努めています。また、入社後は若年社員の面談などを実施し、一部ではメンター制度を試行的に導入しています。従業員一人ひとりが、長期にわたって高いモチベーションを維持し、能力を発揮していけるよう、社内公募制度など従業員の就業継続をサポートする各種制度の充実を図っています。なお、2022年度の正社員の自己都合退職率は1.6%となっています。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの浸透

女性社員や高齢社員、外国籍社員の人材等、多様な人材がライフステージの変化に応じて活躍できる柔軟な働き方の整備を実施しています。

労使関係

大成建設は、結社の自由、団結権、団体交渉の原則を尊重し、従業員の代表が会社と対話できる労使交渉の仕組みを設けています。毎年定期的に、会社役員等と社員組合が協議を実施し、賃金、労働条件などに関する諸施策などをテーマに、大成建設社員組合である当社の代表従業員が、十分に協議を実施し、健全な労使関係を構築しています。
当社社員組合とユニオンショップ協定を結んでおり、団体交渉協定の対象となる全従業員の割合は、89.8%、組合員の資格のある者の加入率100%となっています。労使関係や会社の事業活動の円滑化を目的に、毎年労使間でアンケート調査や様々な対話を実施しています。労働条件の変更などは労使で協議する事項としてあらかじめ労使間で決定しています。

健康経営の推進

大成建設は、「社員の健康が、活気ある職場の実現だけでなく、社員と家族の幸せな生活のために重要な課題である」と認識し、社員の心身に関するサポートを行っています。特に健康診断結果に基づく事後措置や心身の疲労度に応じた面談指導などに注力し、健康障害の削減に努めています。また、育英年金給付制度を導入し、社員が在籍中に死亡若しくは負傷・疾病により労働不能となり退職した場合の家族への就学支援も行っています。
心の健康については、社員が気軽に相談できるEAP相談室を設置し、外部機関のカウンセラーとの面談や、社員と家族が利用できる電話やメールでの相談サービスを展開しています。特に若年社員には健康意識アンケートを定期的に行い、不安やストレスを抱えている時にはカウンセラーとの面談を推奨する等の取り組みを実施しています。今後も若者への働きかけやメンタルヘルスの啓発、治療と就業の両立支援など、健康経営を推進していきます。

エンゲージメントの向上

社員が持てる力を存分に発揮して、お客様の期待と想像を超える価値をお届けするためには、社員の心理的安全性を確保した上で、一人ひとりが高い「エンゲージメント」を保持することが重要です。2022年度より大成建設及び主要グループ会社の社員を対象に、エンゲージメントサーベイ(㈱リンクアンドモチベーションが提供するモチベーションクラウド)を実施しております。発見された課題をもとに、改善の施策を順次実施しています。また、2023年8月にエンゲージメント向上を担う専門部署を立上げ、喫緊の課題とその解決策、中長期的に取り組むべき事項について検討を行っています。
2023年度からはエンゲージメントサーベイの実施回数を年2回に増やし、その改善状況について定期的に観測しながら、様々な経営施策へと反映させ、継続的にスコアの改善を目指しています。

推進項目と活動内容・実績
推進項目 活動内容・実績
働き方改革の推進 DXにより生産システムの変革と働き方改革を実現する
魅力ある職場環境やダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを重視した政策を推進する
長時間労働是正に向けた取り組みを推進する
育児支援 育児休業の一部有給化・分割取得を可能とし、男性の育児休業取得を促進
育児サポートプログラム、両立支援セミナーの実施
研修やセミナーで子育て社員のための臨時託児所を設置
全国113カ所の企業主導型保育所と連携し、社員、保育事業者との提携による保育所の優先利用枠の確保
ベビーシッター補助券の配付
介護支援 介護のしおりの配付や介護セミナーによる情報提供
外部機関による介護個別相談会の実施
介護に直面した社員への三者面談(介護サポートプログラム)の実施
休暇支援 年次有給休暇や有給休暇とは別のリフレッシュ休暇(勤続の節目に、社員やその家族への慰労を目的として付与される休暇制度)、節目休暇(作業所勤務者が作業所異動時または工程の節目に取得できる休暇)取得促進
各種制度 再雇用制度やジョブリターン制度、財形貯蓄制度、従業員持ち株会、団体保険制度等
その他労働問題に関する各種体制 国内、世界各国で定める基本的労働条件の遵守
  • 児童労働防止:大成建設の採用対象は18才以上
    採用時に年齢確認を徹底
  • 強制労働防止:応募者からのエントリーを前提。採用選考を経て合格書を通知
    また入社時に労働条件を提示し合意のもと雇用
  • 生活賃金支援:新卒採用者(大学卒・総合職)の初任給は地域別最低賃金全国加重平均額を上回る水準

    *2022年度は約168%相当(東京都の最低賃金との比較では約150%)

データ

社会データ

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