コンプライアンスの徹底
グループガバナンス体制の再構築

コンプライアンスの徹底 グループガバナンス体制の再構築

方針・基本的な考え方

大成建設グループでは、コンプライアンス・リスクマネジメントの実践をグループ経営の最重要課題の一つと位置付け、ガバナンス体制検討委員会においてグループガバナンス体制の構築を行うとともに、コンプライアンス遵守及び贈収賄・腐敗防止を徹底しています。中期経営計画の重点課題に「グループガバナンス体制の再構築により、シナジーを最大化する」を掲げ、グループガバナンス体制の在り方の検討や、グループ経営に関する基本的な枠組みの見直しを実施しています。
また、DXによって起こる進化に伴い、サイバーセキュリティに関する脅威も日々深刻化・多様化しています。大成建設では、グループ会社、サプライヤーとともに、情報セキュリティに関する様々な施策を実施し、あらゆるビジネスプロセスにおいて情報セキュリティ事故“0”を目指しています。

リスクと機会

コンプライアンスの確立は経営の根幹であり、企業の持続的成長の大前提となるものです。また、グループのシナジー最大化のためには、実効的なグループ会社管理体制の確立が必要不可欠です。ビジネス環境が急激に変化し複雑化していく中、事業領域拡大を目指している当社グループにおいては、内部統制の強化がますます重要になっています。

ポリシー/コミットメント

  • グループ行動指針:法令等の遵守、情報・知的財産権の管理
  • 業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針
  • 個人情報の保護に関する方針
  • ソーシャルメディアの利用に関する行動基準
  • グループ運営に関する基本方針に関する行動基準
  • 中期経営計画(2021-2023):グループガバナンス体制の再構築により、シナジーを最大化する

目標

KPI

実績

  • 2021年度においては、サプライヤー(専門工事業者)の事業主を対象に、国内全支店12支店で、コンプライアンス研修を実施したほか、全役職員を対象にeラーニング形式によるコンプライアンス研修を2回実施しました。
  • eラーニングによるコンプライアンス研修の受講率は100%でした。コンプライアンス研修の継続的な実施は定着していますが、今後も意識向上のため、重要な内容を繰り返し啓発していきます。

KPI

実績

  • 2021年度における電子情報に関する重大なセキュリティ事故件数は、0件(2020年度1件)でした。
  • クラウドサービス利用時のリスクや近年増加している標的型サイバー攻撃などの新しい脅威について、全役職員を対象に、教育を実施しています。2021年度は、情報セキュリティ教育を3回実施しました。

イニシアチブ

  • 国連グローバル・コンパクト「腐敗防止」
  • 日本シーサート協議会
  • 産業横断サイバーセキュリティ検討会
  • 情報セキュリティ専門部会((一社)日本建設業連合会)

体制・システム

コンプライアンス・公正な競争

大成建設グループは、組織としての行動の基本原則及び役職員等が積極的に実践すべき又は厳守すべき行動・判断の基準として「グループ行動指針」を定めています。この行動指針は、当社グループのコンプライアンス遵守の規範であり、「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」に「取締役は、コンプライアンスの確立が経営の根幹であることを深く自覚し、グループ行動指針をはじめとするコンプライアンスに関する諸規程を率先して誠実に遵守する」ことを明記するとともに、国内外を含めたグループ全社に適用することとしています。

グループ行動指針(抜粋)

第1章 自由闊達

  • 1.風通しの良い企業風土の形成
  • 2.働きやすい職場の確保
  • 3.基本的人権・多様性の尊重

第2章 価値創造

  • 4.人がいきいきとする環境の創造
  • 5.価値創造への挑戦
  • 6.お客様満足の追求
  • 7.安全性・品質の確保と向上

    第3章 伝統進化

  • 8.伝統の継承と尊重
  • 9.取引業者とのパートナーシップの推進
  • 10.環境の保全と創造への取り組み
  • 11.地域社会とのコミュニケーション
  • 12.グローバルな事業活動の取り組み
  • 13.適切な情報開示
  • 14.社会的責任の遂行
    (1)社会との共栄
    (2)法令等の遵守

コンプライアンス推進体制

コンプライアンス推進体制としては、下図の通り、部門毎に責任者・推進者・実施者を配置し、社内のコンプライアンス推進体制を整備するとともに、社長の諮問にこたえる特別な委員会として、社外有識者(弁護士)を委員長とするコンプライアンス委員会を設置しています。
法令等違反行為に対する役職員の懲戒等の厳正化・独占禁止法遵守のための体制整備等、コンプライアンス委員会の提言に基づく諸施策や各部門のコンプライアンス教育の実施等により、役職員一人ひとりの意識を高め、コンプライアンスの一層の徹底を図っています。

コンプライアンス推進体制図

  • *1CP: コンプライアンス
  • *2コンプライアンス委員会の事務局機能を担うとともに、役職員等のコンプライアンス意識の浸透・定着を推進
  • *3すべての職位部長をコンプライアンス実施者に任命し、職位部長が自らの担当部署に所属するすべての役職員等に対してコンプライアンスに関する啓発、教育などを実施

通報・相談制度の運用

大成建設グループでは、公益通報者保護法に基づき、役職員等による違法行為や「グループ行動指針」に違反する行為(贈収賄、マネーロンダリング、司法妨害などあらゆる形態の腐敗行為を含む)について役職員及び社外の関係者(当社と直接の契約関係がある協力会社(一次サプライヤー)等の従業員)が通報・相談できる内部通報制度(企業倫理ヘルプライン・グループヘルプライン・公益通報制度)を整備しており、通報・相談窓口を社内及び社外の外部機関(弁護士事務所)に設置しています。当制度は幅広く違反行為の端緒を掴むために、匿名による通報も受け付けています。また、当制度の実効性を高めるため、全役職員を対象に、当制度の概要をまとめた「ヘルプラインカード」を配布し、eラーニングの実施や「コンプライアンス通信」の配信を通じて、制度の内容や運用実績を紹介する等、積極的な啓発活動を行っています。
寄せられた通報に対しては、事実関係を調査し、必要に応じて是正措置を講じます。その際、通報者情報の秘匿を徹底するとともに、通報を理由とした不利益な取り扱いが通報者に対して行われないよう、社内規定に沿って厳格に運用しています。
なお、当社と直接契約関係にない社外のステークホルダーの皆様についても、当社Webサイトのお問い合わせ窓口を通じて、人権・環境問題をはじめとする様々なご相談を受け付けています。

ヘルプライン制度に基づく内部通報の流れ

取り組み

コンプライアンス遵守教育・研修

大成建設では、コンプライアンス意識を高める為、全役職員を対象に毎年コンプライアンス研修を実施しています。
また、グループ全体のコンプライアンス強化を図る目的として、国内グループ会社との法務業務に関わる課題について情報共有・意見交換を目的とした法務担当者会議や、コンプライアンス推進に関する状況確認・意見交換を目的としたグループ・コンプライアンスヒアリングを実施しており、コンプライアンスの徹底に努め、コミュニケーションを図っています。
更に、協力会社(専門工事業者)の事業主や、倉友会(大成建設の基幹協力会社組織)の新入社員を対象に、コンプライアンス研修を毎年実施する等、サプライチェーン全体でのコンプライアンスの推進を図っています。

倉友会:

1917年に発足した「春雨会」を起源とし、当社と倉友会会員各社との連携強化を図るために、2014年2月に再発足した基幹協力会社組織。2021年4月現在で、約700社の企業が加入しており、当社の事業への協力を通じて、会員会社の施工能力の向上や経営の安定を促進することを主眼にしています

コンプライアンス・アンケートの実施(年1回)

大成建設グループにおけるコンプライアンスに関する現状と課題の把握、更なるコンプライアンスの推進を図ることを目的として全役職員に対して「コンプライアンス・アンケート」を実施しています。
アンケート結果については、分析及び対策案を検討し、経営層に報告した上で、「コンプライアンス通信」を通じて全役職員に開示するとともに、関係部署と連携して必要な対策を講じることにより、コンプライアンスの推進に向けて取り組んでいます。

教育・研修 近年取り上げたテーマ
コンプライアンス通信の発行
(月1回)
  • 当社のリスクマネジメントについて
  • 腐敗防止(接待・贈答)について
  • 建設業法に基づく建設業許可と、監督処分について
  • 大成スピリットについて
  • コンプライアンス・アンケートの結果について 他
eラーニング研修の実施
(年2回)
  • 贈収賄・ハラスメント・内部通報制度について
  • パワーハラスメントについて
  • 同業他社との接触に関するルール・社内リニエンシー制度について
  • 企業倫理ヘルプライン(内部通報制度)について 他

政治寄付

大成建設では、社会貢献の一環として必要に応じて政治寄付を行うことがあります。政治寄付を行う場合は、政治資金規正法の遵守を徹底し、社内規定「政治家との係わり及び経費の支出に関する行動基準」に基づいた手続きを経ることで厳正な審査を実施しています。2021年度の政治寄付額は18百万円となりました。

腐敗防止方針

大成建設では、2018年に参画した国連グローバル・コンパクトの腐敗防止を支持しています。グローバルコンパクトの原則10に従い、強要、贈収賄、マネーロンダリング、司法妨害などを含むあらゆる形態の腐敗を防止するためにグループ行動指針において、「公正な取引の確保」と「政治及び行政との健全な関係の維持」、「反社会的勢力・団体への対処」を掲げており、発注者や発注者の役職員個人に対して、不正な金品の供与等を行わないこと、政治家・公務員(外国公務員を含む)との関係において、贈賄等刑罰法規に違反する行為や誤解を受ける行為を行わないこと、反社会的勢力・団体に対して不当な要求を応じないことを明記しています。また、独占禁止法遵守のための行動規範を定め、役職員に対して入札談合等刑法、独占禁止法等の刑罰法規に違反しないよう責任ある行動を求めて、腐敗防止に努めています。
政治家・公務員(外国公務員を含む)に対する贈賄防止の啓発・教育については、全役職員を対象として、贈収賄や腐敗行為を包括的に取り上げた談合などの公正競争を阻害する行為を厳に禁止する旨の小冊子「コンプライアンスはやわかり」や、eラーニングを通じて徹底を図り、役職員の腐敗防止に対する知識・意識を高めています。
特に注意を要する外国公務員等との関係においては、2020年度より外国公務員等に対する贈賄防止のための事前チェック制度を導入し、腐敗行為防止の徹底に努めています。

公平・公正な取引

大成建設では、グループ行動指針に「取引業者とのパートナーシップの推進」を掲げ、取引先(サプライヤー)と公正で信頼し合える関係を築き、対等な立場で取引を行うことを定めています。
また、「反社会的勢力・団体への対処」も掲げ、反社会的勢力に対しては毅然とした態度で対応し、不当要求には応じない旨を定めています。反社会的勢力排除のために、専門工事請負契約基本約定書等の約定書において、契約先が反社会的勢力ではないことや反社会的勢力と取り引きしないことを定め、万一、それに違反した場合には無催告で契約を解除できる条項を導入しています。
2020年8月には、サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携や、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」を遵守することを盛り込んだ「パートナーシップ構築宣言」を作成・公表しました。腐敗防止に係る公平・公正な取引について、自社の従業員やグループ会社に加え、取引先や仲介業者等のサプライヤーにも周知しています。
また、大成建設グループ サステナブル調達ガイドラインに公平・公正な取引について明記するとともに、反社会的勢力、汚職、腐敗、非人道的労働の実施組織との取引に巻き込まれないようリスクの低減に努めています。

法令等遵守検証・指導

大成建設では、入札業務の適正性の確保のために、入札業務の過程に不適切な行為がないことを支店長が確認し、その記録を作成・保存する社内制度を運用しています。
また、毎年法務部が入札業務の適正性及び建設業法や独占禁止法・下請法の遵守状況の検証を行っています。

独占禁止法遵守のための具体的な取り組み

リニア中央新幹線建設工事に関して独占禁止法違反の嫌疑を受けたことを真摯に受け止め、社外弁護士を委員長とするコンプライアンス委員会における審議及び取締役会での決議を経て、下記施策を実施しました。2021年度も下記施策を継続的に運用・実施しています。

  1. 同業他社との接触に関する社内規程を改正しルールを厳格化(2018年9月)
  2. 入札業務適正確認手続きの強化(2018年9月)
  3. 全役職員を対象としたeラーニングの実施(2018年度から継続して毎年度実施)
  4. 営業部門及び受注関連業務を行う技術部門の役職員を対象とした社外弁護士による研修実施(2018年度から継続して毎年度実施)

税務コンプライアンス

大成建設は、グループ行動指針において、法令等の遵守とともに、社会的良識をもって行動することによる社会的責任の遂行を掲げています。この行動指針の下、税務に関する法令等を遵守し、社会的責任を遂行していく指針として、2020年8月に「税務方針」を定め、納税義務の適正な履行に努めています。
また、2013年度以降、税務コンプライアンス意識を向上させることを目的にeラーニングを毎年度実施し、税務調査に関する内容と関連づけながら税務方針の浸透を図っています。全役職員に通常と異なる取引等については各担当部署に相談することを呼びかけるなど、税務リスクへの低減にも努めています。

「理念体系」の周知徹底

2010年に再構築した「理念体系」の携帯用カードを作成し、理念体系の浸透・定着を図っています。また、2011年度以降、理念体系に関するeラーニングを毎年度実施し、社会的要請や社内での取り組みと関連づけながら、理念体系の一層の浸透・定着を図っています。2021年度は、「グループ理念、大成スピリット、グループ行動指針」について社員にeラーニングを実施し、受講率は94%となりました。

情報・知的財産権の管理

建設業は、施工にあたり発注者や協力会社(専門工事業者)等多くのステークホルダーとの情報共有が必然であることから、大成建設グループでは、グループ行動指針に『情報・知的財産権の管理』を掲げ、情報セキュリティに関する様々な施策を実施しており、「個人情報の保護に関する方針」や「ソーシャルメディアの利用に関する行動基準」を制定するほか、当社グループの「知的財産に関する方針」を制定し、知的財産の創造・保護・活用、知的財産に関するリスク軽減、ブランドの戦略的活用などの知的財産戦略を着実に実践しています。

データ

グループ行動指針の遵守レビューと違反時の対応

大成建設グループでは、「グループ行動指針遵守体制整備に関する規程」に、役職員等がグループ行動指針に違反した場合、取締役会または経営会議において事実関係を慎重かつ厳正に審査の上、社内規程に則って懲戒する旨を明記しています。
グループ行動指針違反等重大なコンプライアンス違反事例が発生した場合には、再発防止策の徹底を図り、関係者、事実の経緯、違反の性質・内容、損害額、利害関係人への影響等を調査し正確な事実関係の把握に努めたうえで、必要に応じて関係官公庁への報告を実施しており、行為者に対しては、解雇を含む必要な懲戒処分を科しています。
2021年度の大成建設及びグループ会社、当社と契約関係のある協力会社のコンプライアンスに関して、当社コンプライアンス推進室や社外窓口を経由して寄せられた報告された事案の件数は30件で、ハラスメント事案の他、社内規程違反に関するものでした。
このうち当社グループの経営に重大な影響を及ぼすものはありませんでした。また、当社における腐敗行為・反競争的行為に基づき法的措置を受け、または罰金・課徴金を支払った事例はありませんでした。

コンプライアンス報告の状況

内部通報制度・運用実績
(マネーロンダリング、司法妨害等の腐敗防止含)
2019年度 2020年度 2021年度
24件 28件 30件

ガバナンスデータ

サステナビリティ

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