自然共生社会の実現に向けて

自然共生社会の実現に向けて

方針・基本的な考え方

大成建設グループは、長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」において、2050年目標「自然資本への影響の最小化」を掲げ、ネイチャーポジティブの実現に向けて取り組んでいます。目標達成に向けて、独自の環境DNA分析技術や、生物多様性評価ツール「コンシェルジュ」シリーズなどを活用して生物多様性に配慮した提案・工事の実施を行っていきます。施工計画段階では、自然環境や生物多様性に対するリスクを抽出し、設計部門、建築・土木の施工部門、技術センターなど社内の関係部署が協働して、保有する様々な技術を用いて自然環境や生物多様性に及ぼす影響を最小限に抑えるよう努めています。

リスクと機会

建設工事は、自然環境や生物多様性に大きな影響を与える懸念があります。そのため、計画・設計・施工・竣工後の建物運用段階に至るまで一貫した自然環境や生物多様性への配慮と豊かな環境づくりのためのソリューションをお客様に提供しています。計画・設計段階では、環境関係法令への適切な対応、自然環境や生物多様性保全に関する付加価値の創出、施工段階では自然環境や生物多様性に配慮した施工、竣工後は自然環境や生物多様性を保全するような運営・管理支援を行っています。自然資本の価値を適正に評価し、建設工事による影響を極力低減し、自然環境の保全や生物多様性の保全・創出技術を提供することで自然共生社会の実現に貢献していきます。

ポリシー/コミットメント

●グループ行動指針:環境の保全と創造への取り組み ●環境方針 ●環境目標
●エコ・ファーストの約束
●TAISEI Green Target 2050:自然共生社会の実現 ●大成建設生物多様性宣言 ●大成建設生物多様性保全ガイドライン
●大成建設グリーン調達ガイドライン
●グリーン購入標準ガイドライン ●大成建設グループサステナブル調達ガイドライン

目標

TAISEI Green Target 2050

TAISEI Green Target 2050

環境目標

環境目標

イニシアチブ

●国連グローバル・コンパクト「環境」 ●経団連生物多様性宣言イニシアチブ(日本経済団体連合会、経団連自然保護協議会)
●(一社)企業と生物多様性イニシアチブ(JBIB) ●生物多様性のための30by30アライアンス(環境省)
●TNFDフォーラム ●CDP(Forest) ●東京グリーンシップ・アクション(東京都環境局)

取り組み

自然環境保全

大成建設が施工した地域社会の持続可能な好循環への取り組み

OKI 本庄工場H1棟では、森林循環を構築する活動に当社も参加しています。
施設内に同じ荒川流域である秩父産の木材を積極的に利用し、木材を伐採した山林を再造林するための費用の一部を負担する他、植林活動にも参加しています。
将来に向けた山林の再生、森林資源の循環にお客様や地域とともに取り組み、森林循環に貢献しています。

良質な自然環境を保全する技術

環境DNA
  • 水や土などに含まれる生物由来のDNA 分析技術を用いて、建設現場周辺の保全対象地域に生息する希少両生類(サンショウウオ類)の継続的な生息調査を行いました。この分析技術により、従来の目視調査では困難だった産卵期以降の水中での生息状況を把握し、建設工事中の継続的な生物環境モニタリングが可能となりました。

生物多様性保全ガイドラインの活用

生物多様性保全ガイドライン(2022年4月に改定)は、「全社的な取り組み」「計画・設計における取り組み」「調達・施工における取り組み」と、3つのアクションからなる行動指針となっており、生物多様性関連技術提案と展開を通じた、野生生物の保護を含むガイドラインに沿った施工による環境影響の抑制を実施しています。
また従業員に対する定期的な環境教育や環境保全に関する社会貢献活動も実施しています。

生物多様性に配慮した調査・計画・施工・モニタリング

大成建設は、工事を計画する段階で生物多様性に関するリスクを抽出し、着工から竣工にいたるまでフォローする仕組みを導入しています。生態系への配慮が必要と判断されたすべての案件において当社独自の環境計画技術であるエコロジカルプランニングを策定・実行しています。調査・分析に基づいた自然共生に貢献する計画を、お客様にご提案し、適切な自然環境の保全・創出に取り組んでいます。エコロジカルプランニングは生物多様性条約の生物多様性行動計画(BAP)に相当するもので、当社の保有する様々な技術を用いて計画地に加えて周辺の環境も調査・分析し、地域特性を踏まえた計画を立案、施工することで良質な社会資本の整備に努めています。竣工後にはモニタリングを実施し、その結果をフィードバックすることにより技術の深化を図っています。
また当社では独自の生物多様性の評価・計画ツールとして「コンシェルジュ」シリーズを開発しています。これにより誰でも容易に計画地の環境を把握・共有することができ、自然環境を適切に保全・創出することが可能となりました。モニタリングや予測評価に活用しています。

富士山南陵の森の自然環境への取り組みにおいて、環境大臣賞を受賞

富士山南陵工業団地の開発では、地域の環境に適した樹木を用いて、自然の森に倣った「10年の森づくり」を実施しました。樹木を互いに競わせながら森を育む「自然配植緑化」の手法を用いて苗木の植栽から10年後には、周囲の森よりも生物多様性に富む森が形成されていることが確認されています。自然と共生し地域と交流する工業団地として、第49回環境賞「環境大臣賞」を受賞しました。

生物多様性保全・創出(ネイチャーポジティブ)活動事例

札幌ドーム(北海道札幌市)
~継続的なモニタリング調査の実施~

1997年の札幌ドーム建設の計画段階では、建設予定地は住宅地と自然豊かな羊ケ丘に隣接しており、設計条件として自然への配慮が求められていました。そこで、より多様な生物の利用する環境の創出を目的として、エコロジカルプランニングの手法を用い、そのための計画条件を提供し、生物に配慮した外構計画を支援しました。
2001年の施設稼働後も、3年、10年、そして現在にいたるまで長期間にわたりモニタリングを実施し、指標とした鳥類の多くが確認できた他、鳥類、蝶、トンボの種類が全て計画段階より増加し、着工前よりも生物の多様性は高くなっており、創出した環境がネイチャーポジティブに寄与していることを検証・実証しました。
また、建設~モニタリングの取り組みや結果を活かし、㈱札幌ドーム様の実施している環境啓発活動を支援しています。更にそこで得られた知見・ノウハウを活かして、生物多様性を定量的に評価し可視化するツールとして「いきものコンシェルジュ」を開発しました。エコロジカルプランニング手法とともに、他のプロジェクトに幅広く展開し活用しています。

ESR 尼崎ディストリビューションセンター(兵庫県尼崎市)
~⽣物多様性保全・創出活動を通じた施設価値向上~

自然環境に配慮した施設であることを証明する環境認証を取得することは、施設の価値を向上させ、お客様の企業イメージの向上に繋がります。大成建設は、施設の計画、設計から施工まで一貫して担当させていただくことができる総合建設業の強みを活かし、環境認証の取得も含め、お客様の生物多様性保全・創出などの環境活動を支援しています。
大阪湾臨海部に位置する物流施設「ESR尼崎ディストリビューションセンター(発注者:ESR(株))」では、施設の計画・設計段階において、物流施設の機能を損なうことなく生物多様性を高められるよう外構緑地の計画・設計・施工を実施することで、「いきもの共生事業所(ABINC)認証(物流施設版)」の取得をサポートしました。

物流施設 ESR尼崎ディストリビューションセンター(発注者:ESR(株))
エコ・グローブくれ ビオトープ(広島県呉市)

一般廃棄物最終処分場「エコ・グローブくれ」は2015年に完成、運用を開始しました。
最終処分場建設に伴い消失する水辺環境を再現し、希少種を含む多様な動植物が生息するビオトープを創出しています。

提案時の生物多様性への配慮の実施(リスク評価)

開発により生息環境に影響を受ける水辺の希少動植物を保全・代償するための当社独自の計画ツール「水辺コンシェルジュ」

土木工事では、自然環境と接する場合が多く、希少動植物の保全やその影響回避を含む様々な生物多様性への配慮の取り組みを、建築工事では、工場敷地や再開発案件における緑地計画において、健全で良質な生態環境創出の取り組みを行っています。「いきものコンシェルジュ®」や「森コンシェルジュ®」「水辺コンシェルジュ®」等の当社独自の生物多様性評価ツールを駆使して、積極的な提案を行っています。

*コンシェルジュシリーズ

  • 「いきものコンシェルジュ®」:計画地に誘致可能な動物を予測評価する当社独自のツール
  • 「森コンシェルジュ®」:計画地の環境に適した植物選定を可能とした当社独自のツール
  • 「水辺コンシェルジュ®」:生息環境に影響を受ける水辺の希少動植物を保全・代償するための当社独自の計画ツール

環境コミュニケーション

東京グリーンシップ・アクション
  • 東京都環境局では、平成15年度から、都内にある50地域の「保全地域」のうち、いくつかの地域で企業・NPOや企業、行政等と連携した自然環境保全活動を実施し、これらの地域を企業の社会貢献活動の場として活用しています。当社はこの取り組みに賛同し、「七国山緑地保全地域」の緑地保全活動東京グリーンシップ・アクション(東京都主催の里山保全活動)に10年以上にわたり参加しています。
Japan Business Initiative for Biodiversity(JBIB)
  • (一社)企業と生物多様性イニシアチブ (JBIB*)は、2008年に設立した生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業の集まりです。当社はJBIBのネットワーク会員企業として、 「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」や「いきもの共生事業所推進協議会(ABINC)」の情報共有や会員企業とのコミュニケーション等を通じて、生物多様性保全に対する取り組みを推進しています。
生物多様性民間参画パートナーシップ
  • 生物多様性民間参画パートナーシップに会員企業として参加し、NPO・NGOや研究機関等の国内外の関係組織との連携の下、事業者の生物多様性保全への取り組みを推進しています。また、「大成建設グループサステナブル調達ガイドライン」によりサプライチェーン全体での生物多様性保全についても推進しています。
やまねの巣箱づくり
  • 当社は2004年から「アニマルパスウェイ(樹上性小動物のための橋)研究会」に参加し、アニマルパスウェイの開発・設置やモニタリングを通じて、やまね等樹上性小動物の生態系保全活動を支援しています。この活動の一環として、当社グループ社員と家族が参加する「やまねの巣箱づくりボランティア」を毎年実施し親子でやまねについて学びながら巣箱を作り、キープ協会「やまねミュージアム」に寄贈しています。この環境ボランティア活動は、毎年継続して実施しており、これまでに2,945個の巣箱を作成しています。
大成1トンくらぶ
  • 2010年より『会社と社員の家庭でカーボンオフセットを同時に実現』をテーマとしてスタートした環境貢献活動で、これまでに9回実施しています。2012、2015年と支援してきた「釜石地方森林組合」が管理する「鵜住居(うのすまい)地区」の山林で、2017年5月9日に不審火で大規模な山火事が発生し、413haが焼失し多大な被害が出ました。そこで、2017年から継続して、この釜石の森林の復興のための植林用苗木購入費用を寄付するための募金をテーマに実施しました。山火事被害材はこの活動に参加した社員向けのノベルティに使われ、当社が施工した釜石鵜住居復興スタジアムでは木製座席、公衆トイレ、ベンチ及び日よけのためのルーバーにも採用されました。

データ

環境データ

サステナビリティ

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