コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス

方針・基本的な考え方

大成建設グループは、企業としての持続的な発展を図り社会からの信頼を獲得するため、経営における意思決定の迅速性、的確性、公正性及び透明性を確保することを、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え⽅としています。

体制・システム

コーポレート・ガバナンス体制の概要

大成建設は、監査役会設置会社を選択しています。
取締役会は、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上のため、(ⅰ) 企業戦略等の大きな⽅向性を示すこと、(ⅱ) 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと、(ⅲ) 独立した客観的な立場から、経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行うことを主な役割・責務とし、監督機能に軸足を置いた体制としています。12名の取締役(社内取締役8名、社外取締役4名)で構成されており、社外取締役(男性3名、女性1名)は、自らの知見に基づいた客観的な視点に立ち、取締役会における審議に多様性をもたらすとともに、経営に対する監督機能の強化に貢献しています。
取締役会の活性化を図るため、取締役会内に、取締役会委員会として、ガバナンス体制検討委員会、役員人事委員会、報酬委員会、サステナビリティ委員会を設置しています。
また、執行サイドの最上位決議機関として経営会議を設置しており、取締役会から権限委譲された業務執行案件について審議・決議を行っています。議長を社長とし、委員は取締役会が選定する委員11名で構成しています。
経営会議及び社長の諮問に係る業務について審議等を行う業務委員会として、サステナビリティ推進委員会、リスクマネジメント委員会等を設置するとともに、コンプライアンスの徹底を図るため、社長の諮問に答える特別委員会として、社外有識者を委員長としたコンプライアンス委員会を設置しています。
監査役会は、各監査役から監査の実施状況及び結果について報告を受けるほか、法定の事項や監査役の職務執行に関する事項について、協議・決議を行っています。また、監査部及び会計監査人より、監査計画・監査結果について随時報告を受けています。6名の監査役(社内監査役2名、社外監査役4名)で構成されており、専門的知見を有し独立性の高い社外監査役による中立的・客観的な監視体制を確保しています。

大成建設ガバナンスの変遷

コーポレート・ガバナンス体制図(2023年7月現在)

取締役会委員会(2023年7月1日現在)

*各委員会の委員長及び構成員等の詳細については以下のリンク先をご参照ください

役員の状況

スキルマトリックス

経営陣幹部の選任・解任と育成計画

取締役候補の指名及び執行役員の選任においては、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献する人材を選任するという観点から、個々の経歴、業績や人間性、知識、経験、能力等の資質及び全体のバランス、並びにジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性を考慮しています。
また、取締役会は、中長期的に目指す姿や中期経営計画を達成するために、取締役会が備えるべきスキル等を特定し、これに基づき取締役候補の指名を行います。なお、選任時に期待された資質が認められない場合には、解任の審議を行うことができるものとしています。
経営陣幹部の育成計画については、外部環境に対する幅広い知見や、コーポレートガバナンス・経営戦略等に関するリテラシーを備えた経営人材の確保・育成を進めるため、経営幹部候補者を選抜し、育成プログラムを実施しています。
プログラムでは、経営会議等重要会議へのオブザーバー参加や社外取締役との意見交換会の実施など、早期から経営陣の視点を習得する機会を提供しています。また、社外機関による研修を受講することにより、多種多様な業界のリーダーや経営幹部候補生と交流する機会を設け、幅広い知識と人脈を獲得することを目指すなど、計画的な育成に努めています。

社外役員サポート体制

社外取締役については秘書部が、社外監査役については監査役業務部が それぞれの職務執行をサポートしています。毎月1回の取締役会の開催前に資料データを送付し、事前説明会を開催しており、社内の取締役等から議案に関する説明を実施しています。また、役員間での多様な意見交換会や現場見学会も定期的に開催し、情報提供・連携が図られています。
これらサポート体制により、取締役会における審議や意見表明が十分かつ活発に行われています。

役員報酬等

①取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針に関する事項

当社は、報酬委員会において審議の上、2021年2月25日開催の取締役会において、取締役の個人別報酬に係る決定方針を決議しており、その内容は、以下のとおりです。

1.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する基本方針
当社における取締役の報酬等は金銭報酬としての固定報酬及び業績連動報酬(金銭報酬)並びに非金銭報酬としての業績連動報酬(株式報酬)により構成され、当社及び当社グループの事業規模、内容、業績、個々の職務内容や責任などを総合的に考慮してその内容を定めています。
報酬等の内容の決定にあたっては、取締役会の事前審議機関である「報酬委員会」において審議の上、職責及び役位(執行役員を兼務する場合の執行役員の役位を含む。以下同様。)に応じた個人別の報酬等を取締役会において決定します。
報酬委員会は、委員長及び委員の半数以上を独立社外取締役とし、独立社外監査役をオブザーバーとすることにより報酬等の内容を適正に検討できる体制としています。

当社取締役報酬の模式図

報酬委員会の構成

2. 固定報酬の額またはその算定方法等の決定に関する方針
固定報酬は、在任中、毎月一定期日に支給するものとし、当社の事業規模、内容、個々の職務内容や責任などを総合的に考慮し、職責に応じて定め、社外取締役以外の取締役については役位に応じて累進するように定めています。

3. 業績連動報酬の業績指標の内容及び額または数の算定方法等・非金銭報酬の内容及び額もしくは数またはその算定方法等の決定に関する方針
業績連動報酬は、各取締役が業績の向上及び企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として設定しています。ただし、社外取締役については業績連動報酬の支給対象外としています。

(ア)業績連動報酬(金銭報酬)
業績連動報酬(金銭報酬)は、在任中、毎月一定期日に支給するものとし、グループ経営に対する取締役の責任と報酬の連動を明確にすることを目的として当社グループの短期業績に連動する内容及び額とするように定めています。業績指標は、当社グループの事業活動に対する最終的な成果を示す指標である直近連結会計年度の連結損益計算書における親会社株主に帰属する当期純利益を採用し、役位に応じて累進するように定めています。

(イ)業績連動報酬(株式報酬)
業績連動報酬(株式報酬)は、取締役の報酬と当社グループの業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的とし、中長期業績に連動する内容及び額とするように定めています。
株式給付信託(=Board Benefit Trust)方式を採用し、定時株主総会開催日を付与日として、取締役において定めた「役員株式給付規程」に基づき、在任中、毎期ポイントを付与して累積します。取締役が退任し、「役員株式給付規程」に定める受益者要件を満たした場合、所定の受益者確定手続を行うことにより、1ポイント当たり1株として累積ポイント数に相当する当社株式を給付します。なお、当該給付の一部を、当社株式に代えて、当社株式の時価相当の金銭とすることがあります。
業績指標は、業績連動報酬(金銭報酬)と同様に、直近連結会計年度の連結損益計算書における親会社株主に帰属する当期純利益を採用しています。
各取締役に付与するポイントは、業績達成状況、職務内容及び責任などを考慮して代表取締役及び取締役に区分してそれぞれ定めています。

4. 各種類の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針
業績連動報酬については、金銭報酬及び株式報酬それぞれにおいて基準となる業績値を設定した上で、当該基準と比較して好業績となる場合に業績連動報酬の割合が増加するように定めています。
中長期的観点からは、固定報酬の割合を縮減し、業績連動報酬の割合を高めていくよう見直しを検討していくものとします。
ただし、社外取締役の報酬等については、固定報酬のみとします。

②監査役の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する事項

監査役報酬等については固定報酬のみで構成されており、各監査役の報酬額は監査役会にて協議の上、決定しています。

③取締役及び監査役の報酬等についての株主総会決議に関する事項
④取締役及び監査役の報酬等の総額等

取り組み

取締役会の実効性

取締役会は、毎年、取締役会の実効性について分析・評価を行い、その結果を開示しています。

1. 2021年度評価に対する2022年度の取り組み

当社は、2020年3月に、取締役会の監督機能の強化と審議の活性化、業務執行の意思決定の迅速化を目的に、取締役会付議事項の見直しや、それに伴う執行サイドへの権限委譲範囲の拡大など、ガバナンス体制の見直しを行いました。
この見直しを踏まえ、2020年度以降、取締役会の実効性の向上に努めてまいりましたが、引き続き、2022年度も2021年度の実効性評価で示された課題に対し、以下の改善に取り組みました。

  • a)中長期的な視点に基づく取締役会の規模・構成など、ガバナンス体制の在り方に関する討議の充実
    役員人事委員会において、継続的な課題として、取締役会の構成等、検討すべきテーマについての議論を行いました。
  • b)適切な範囲での執行側への一層の権限委譲と重要な経営課題に対するより深化した討議の実施
    取締役会議題分析の結果等を踏まえ、報告事項の見直しによる議案数の絞り込みを行うとともに簡潔な資料作成と説明を心掛け、審議時間の確保に努めました。
  • c)取締役会委員会審議の実効性の向上
    議論されるテーマに応じ、十分な審議時間を確保した上で、重要な課題についての審議を深化させることに努めました。
  • d)グループガバナンスの実効性強化に向けた具体的検討
    グループガバナンス再構築に向けた、当社・グループ会社間での人事交流の制度化、主要グループ会社における経営会議の設置等の施策を実施しました。
2. 2022年度評価の概要

2022年度の実効性評価の方法及び結果の概要は以下のとおりです。

(1)評価方法・プロセス

  • 事務局が個別評価アンケート(取締役会評価シート)を作成し、取締役会で承認の上、各取締役及び監査役が個別評価を行いました。
  • アンケートの評価項目は次のとおりで、1~ 5については設問に対する5段階評価と自由記述とし、6については自由記述としました。

《評価項目》
「1.取締役会構成員としての自己評価」、「2.取締役会の構成・運営」、「3.取締役会の実効性」、「4.サポート体制」、「5.中長期的に目指す姿及び中期経営計画に関する審議・モニタリング」、「6.取締役会全般」

  • 事務局がとりまとめた個別評価結果に対し、社外取締役が全体評価を行いました。
  • 並行して、個別評価結果に対し、弁護士による第三者評価を行いました。
  • その上で、取締役会にて、全体評価や第三者評価等に基づき、審議を行いました。

(2)評価結果の概要

  • 中長期的な経営課題にまとまった審議時間を割くことができており、全体として、取締役会の機能は向上しているとの評価がなされた一方、取締役会の役割・責務の観点から引き続き改善を要する事項があるとの評価がなされました。
    なお、取締役会をより実効性のあるものにしていくために、引き続き、以下に取り組んでまいります。

    a) 取締役会の規模・構成など、ガバナンス体制の在り方に関する討議の充実

    b) 適切な範囲での執行側への一層の権限委譲

    c) 中長期的な視点に基づく取締役会の役割・責務を踏まえた審議のさらなる充実

株主・投資家との対話

大成建設は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るために、株主・投資家の皆様との建設的な対話を推進するとともに、その前提となる適時適切な情報開示に努めています。
情報開示については、「情報開示方針」及び「コーポレートガバナンス基本方針」に基づき、財務・経営成績、経営戦略・経営課題、リスクとガバナンス、人的資本、知的財産、サステナビリティ課題への取り組み等について、法令及び証券取引所の規則に沿った開示を適切に実施しています。また、必要に応じて、Webサイトや統合レポート等において当社グループの事業活動等に関する最新の情報をステークホルダーの皆様にタイムリーに、わかりやすく提供するよう努めています。
株主・投資家の皆様との対話については、「IR方針」に基づき、面談・IR説明会・株主総会等を通じた建設的な対話の促進を図っています。具体的には、半期毎の決算説明会、国内外の機関投資家等を対象とした個別ミーティング、海外IR等を実施しています。また、株主の皆様に当社の企業活動についての理解を深めていただくために、株主通信「たいせいサークル」を発行し、注力事業やESGに関する取り組み等について報告しています。
社内においては、株主・投資家の皆様との対話・面談の内容等を記載した報告書を作成し、経営幹部に毎月報告するとともに、取締役会に対しては、より詳細なIR活動の実施状況を少なくとも年2回報告し、経営力の高度化につなげています。

財務報告の信頼性確保

金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、企業として最も重視すべき課題の一つと認識しており、日常的モニタリングの実施等、外部に公表する財務報告の信頼性を確保するための社内体制を構築しています。
その有効性は、監査部による評価及び有限責任あずさ監査法人による監査によりチェックされ、「内部統制報告書」「内部統制監査報告書」として開示しており、今後とも、この有効性の確保を通じて、企業としての社会的責任を果たしていきます。
なお、財務報告に係る内部統制システムの確実な運用を継続していくため、役職員等に対する社長メッセージの発信や、eラーニングの実施等の啓発活動を行っています。

内部統制の推進

大成建設では、グループとして、業務を適正かつ効率的に執行する体制及び財務報告の信頼性を確保するために、取締役会において2006年5月に「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を制定し(2022年7月改正)、コンプライアンスやリスクマネジメントのさらなる推進を図っています。また、営業部門の役職員を主な対象として、社外弁護士による独占禁止法遵守研修を実施する等、各種の施策を講じています。

経営トップセミナー

経営層が一堂に会し、外部講師を招いた基調講演や、経営課題についてのディスカッションを行い、組織運営に活かしています。

データ

ガバナンスデータ

サステナビリティ

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